今日のヴェリタス

今日のヴェリタス2020-12-03T17:11:50+09:00
2012, 2023

「こんな塾が欲しかった」

2023年12月20日|

「大学受験にあたって理論から学べる塾を探していた」先日行われた受験科説明会のアンケートに書かれていた高校2年生の言葉。「高三で受験に全てを費やすのは僕はもったいないと思う」昨年受験をしたヴェリタス卒業生の言葉。京大前総長 山極寿一氏は「難関大目指し競わせる高校でいいのか」と義務教育、高校教育のあり方を問う(14日朝日新聞『科学季評』)。2022年の文科省の調査によると、不登校の小・中学生は前年比22%増の約30万人、高校生は19%増の6.5万人。一方、フリースクールは卒業しても大学資格はなく授業料免除もないが、すでに全国で一千校以上あり年々増える状況だという。「大学進学よりむしろ好きなことを自由にできる環境を選ぶ子どもたちが増えているのではないか」と。受験にあたって理論から学びたい、高三を受験だけに費やすのはもったいない、自分が好きなことを実現するには今の制度は合わない。子供達はすでに気づき発信し、行動を始めているのではないだろうか。折しも12月10日のAERA .dotにQuizKnockの伊沢拓司さんのインタビュー記事が載った。以前ヴェリタスの受講生だった伊沢氏、ヴェリタスの英語は「哲学の授業みたいだったけど面白かった」と語る。ヴェリタスはその創設から、講師たち自身が中高生のころを振り返り「こんな塾が欲しかった」と言う思いを形にしてきた塾だ。これからも人が自然に抱くはずの「なぜ?」に蓋をすることなく、各自の疑問や気づきを解き放ち、受け入れ、広げていける塾でありたい。

512, 2023

対話

2023年12月5日|

「物理わかる先生いますか」「⚪︎⚪︎先生、今忙しいですか」ヴェリタスではこんな声が日常的に聞こえてくる。「今から質問に行ってもいいですか」と授業のない日も質問に来る生徒もいる。受付横の講師室の壁には自由に使えるホワイトボードがあり、ヴェリタスを象徴するオープンスペースとなっている。講師も授業準備やら自分のことで忙しいものの、よほどのことがない限り生徒たちの質問に応じる。一緒に問題文を読み、問題の意味を把握するところから「ここはこうなんじゃないか」「なんでこんなふうに考えたの?」など対話が始まる。時には通りすがりの講師や生徒が「なになに?」とのぞきに来る。 わからないことはググればいい便利な時代だが、一方的に「教えられる」「答えてもらう」だけでなく、自分がなぜそう考えたかを聞いてくれる相手の存在によって、互いに自らの考えを別の視点から見直すチャンスを与えられている。「なるほど、君はそんなふうに考えるのか」と。 対話とは、自分自身がまず徹底的に考えてそれを相手と擦り合わせていくことだという。自分(自国)の正義を押し付け、それに反するものを排除する対話なきやり取りがいつの間にか大きな戦争に発展している昨今、ヴェリタスに集う子供たちには、さまざまな人たちとの対話の体験を積み重ねていってほしいと願わずにはいられない。まずは今日の疑問をそのままにせず、講師に友達に問いかけてみよう。

1108, 2023

異文化と童心

2023年8月11日|

発端は先日、英語科講師の数人で連れ立って、いたばし花火大会に出かけた時のことである。俳句歴七年目の俳人の端くれである私は、「花火」と聞けば即俳句モードに入る(花火は夏の季語である)。当初、私は自分だけこっそり作って満足するつもりだったのだが、周りの講師に俳句を作ることを伝えると、瞬く間に皆で俳句を作る話になったのである。私以外は皆全くの素人ということで、皆が二、三句作ってみて、私がそれらの句を添削する、某番組のような会になった。そしてこれがまさかの好評。この戯れに味を占めた我々は第二回を開催すべく、講師室にかき氷機を持ち込んだ―― そして本日のかき氷俳句大会である。俳句を詠むならばかき氷が食べられる、というアグレッシブなレギュレーションにも拘らず、講師・生徒の垣根をまたいで前回以上の参加者が訪れた。ある英語講師などは花火の時の反省を活かすべく、俳句の入門書まで購入して武装してきたのには全く驚いた。かかる努力の成果もあり、私を含め皆悪戦苦闘しつつも、結果的には前回の倍近い句が発表され、実りのある会になった。その格闘の一方で、かき氷だけ食い逃げする不埒な大人が居たのも事実だが。 私はしばしば、VERITASというコミュニティに属する人間の「異文化」に対する受容力と貪欲さに驚かされる。ここでの「異文化」とは、各個人がそれまでの人生で触れることのなかった分野のことだ。言い換えれば「不案内な領域」であろうか。学校の勉強内容や受験対策としての勉強内容も「異文化」に含まれるといってよい。VERITASの人間はこの「異文化」に対する悪い意味での抵抗が殆どないように思えるのだ。普通なら私が人に俳句を作ることを伝えても、概ね興味を示されないうちに話題が変わる。花火大会を前に「じゃあ試しに一句作ってみるか」と、得体のしれない詩の世界に挑戦してみるなどあり得ないというのが、長年俳句布教の難航に悩んできた私の所感だ。本来であればかき氷だけ食い逃げするのが当たり前であり、あろうことか自発的に俳句を勉強してくる方が酔狂なのだ。「異文化」との間には程度の差こそあれ、それなりに高い壁があるのである。しかし、VERITASにはそんな壁はない。「異文化」に接する態度が恐ろしくポジティブで、かつ誠実である。これはきっと、年をとるにつれて薄れていきがちな、純粋で原初的な知的好奇心を保ち続けているからであろう。この姿勢を一言で表すなら「童心」ではないか。童心を存しているか否かで、日々の心の豊かさは大きく変わる。知的な喜びの根源であると同時に、経年劣化に弱いその姿勢を、VERITASは忘れていない。(英語科 佐々木)

806, 2023

横にいる友と

2023年6月8日|

受験生にとって、春からやってきたことの結果が目に見えて出はじめる時期になった。思うようにいかず、自分の勉強の仕方が間違っているのかと悩みに陥る人も多い。こうした悩みは人それぞれで、他の人と共有することがとても難しい。 自分みたいなおせっかいな講師は、ついつい声をかけて相談に乗りたくなる。しかし、生徒を本当に支えているのはそういった直接の相談ではない。 授業のない時間、ふとした瞬間に、半分雑談のように、最近の悩みや、分からないことを話す。講師と生徒の区別なく、自然に会話が発生する。そうした空気感の中で、自分の悩みを相対化できることが、打開につながっているのだ。他の受験生が何に悩み、どう闘っているか。ヴェリタスの外に出てみると、これを知る機会は意外と多くないと気づく。 結局自分に合ったやり方というのは、自分にしか見つけられない。講師として、先輩として、その助けになれればと思う。でも本当に必要なのは、前で導く人の言葉ではなく、横にいる人たちの姿だ。(U4担当 佐々木)

2901, 2023

分からないことがゼロになるまで話せる友を

2023年1月29日|

1月22日を皮切りに、来年度基礎科のカリキュラム説明会が始まった。3月からの入塾に向けて、小学校卒業前から中学入学後そして将来を見据えた塾選びのために、足を運んでくださる保護者の方々には敬意と感謝の気持ちが湧いてくる。限られた時間の中で何をどのように感じていただけるか、を考えるのは授業も説明会も変わりはない。自分は他塾の説明会を主催したことはないので比べることはできないが、少なくともヴェリタスでは、講師の発する言葉や態度、会場の雰囲気などから、私たちが日頃から大切にしている「率直さ」「誠実さ」「等身大さ」を感じていただけるものでありたいと思っている。分からないことを「分からない」と言える教室、各自の疑問を誤魔化さず納得するまで追究できる仲間、そして自分を大きくも小さくも見せずありのままを受け止め、そこからスタートする習慣を身につけることなど。たかが塾、されど塾。“受験にどんな手段を使っても構わないか”“合格のためならこの一年を棒に振ってもいいのか”“わけがわからなくても丸暗記して合格点が取れれば良いのか”。一つでも「否」という答えが心に浮かぶ人はヴェリタスにきっと向いているはずだ。中学生、高校生という人生で最も自由に過ごせるはずの時期に「合格率」や「偏差値」など「数」を上げるためだけに時間を使わせて良いのだろうか。今回の説明会でも卒業生に体験談を話してもらった。ヴェリタスに入って一番良かったことは「わからないことがゼロになるまで何十時間でも話せる友達に出会えた」こと、そんな友達とは「勉強で真剣に話し合えるからこそ人生についても真剣に話し合える」と話してくれた。その上で「真剣に話し合ったからといって成績が飛躍的に伸びるわけでも、難関大学の合格が保証されるわけでもない、それでもここでしか得られなかった貴重なそして他では得られない体験であった」と。これからも1人でも多くの子供たちにこんな体験をしてもらえるような場にしていきたいと思っている。

1501, 2023

受験生へ「頑張れ」じゃなくて「祈ってる」

2023年1月15日|

昨日今日と大学入試共通テストが行われている。思えば今年の受験生は緊急事態宣言の最中に高校生活が始まり、この三年間をコロナとともに過ごしてきた生徒たちだ。いつか終わると期待していた頃もあったが、いつの間にかウィズコロナが日常になってしまった。今年はインフルエンザの流行もあり、例年以上に緊張して今日を迎えた方も多いかと思う。そんな中ではあっても足繁く自習室に通い、楽しそうに勉強していたヴェリタス25期生たちに講師たちが声を掛ける。「俺の去年の失敗を繰り返すな」「明日終わったらここに来ればいい」「がんばれじゃなくて祈ってる」と。「なんだか自分の時より緊張する」という声も聞こえてくる。頑張ってきた一人一人が、どうか、今まで蓄えてきたこと努力してきた全てを発揮できますように。

201, 2023

感謝と希望

2023年1月2日|

多くの思いがけない出来事に見舞われた2022年、ヴェリタスではおかげさまで、当たり前の日常や自由を他者によって奪われることも、自然の力に壊されることもなく過ごしてくることができた。世の中を見渡せば、それだけで十分に感謝に値すると思う。一方で、決して簡単とは言えない毎日を、生徒も講師も事務も積みあげてきた。中一は小学校卒業前から一回3.5時間の授業、初めての部活との両立、学校では習ったことのない内容を学ぶ困難など、中二、中三はますます難しくなる内容についていけなくなりそうなことも、モチベーション維持が難しかったこともあったと思う。高三は大学受験という大きな壁に日々悩みながら挑んでいる。講師も決して簡単ではない。1時間の授業を作るためにその何倍もの時間をかけて準備をし、どうしたら十分な学びの場を作り出せるか試行錯誤を続けている。事務とて同じだ。年間で行うことはほぼ決まっているにせよ、滞りなく運営するにはさまざまな複雑で繊細さを要求される業務が詰まっている。こうしてそれぞれが立場は違っても、ヴェリタスという場にそれぞれの思いを持って集まり、真剣に過ごしてきた。しかし常に完璧なわけではなく、不注意や心の緩みや多忙さゆえの失敗もある。知らず知らず周りの人を傷つけたり、失望させたり、怒りを買ったこともあっただろう。それについてはこの場を借りて、お詫びしたい。そして同時にその失敗を次に繋げられるように、また、むしろプラスにできるような場にしていきたい。ヴェリタスが目指す学びの形「単に解ければ良いのではなく自分で考えて思いつける」体験は決して一朝一夕に達成されるものではない。難しさゆえに投げ出したくなることもあるかもしれないが、だからこそ達成された時に感じられるもの、得られることは、かけがえのないものとして個々の中に蓄積されていくと思う。子供も大人も、生徒も講師も事務も一人一人が生きている今の時間を大切に、いっときいっときが人生を紡いでいることを忘れずにいたい。澄んだ空気の中で難しい目標に笑顔で向かっていける場、そんな塾を1人でも多くの方々と共に作っていける1年にしたいと思っている。

1812, 2022

「感動しました!」に感動しました。

2022年12月18日|

ヴェリタスでは受験コース、基礎コースともに毎年カリキュラム説明会を行っています。先月から今月にかけて、新高3生を対象に3回行いました。毎年行うものではありますが、何をどう伝えるかは、毎年担当する各クラスの講師が考え行っています。塾長の挨拶に始まり、カリキュラムの概要、そしてヴェリタス受験コースの柱となる考え方ややり方を教務から、その後に各クラスからこの一年ををどう過ごすか話し、最後に卒業生から体験談をお話しするという、大変地味な内容ではあります。しかし、限られた時間の中で担当講師のきめ細かな説明と卒業生の実感のこもった体験談に毎回好評をいただいております。先日の説明会に出席された保護者からこんな電話が入りました。「(勉強に)やる気を無くしていた息子を連れて参加して本当によかった。ヴェリタスの先生方の熱心さに感動しました。息子の口からあの先生方とならやっていけそうな気がすると。」と。「説明会に参加して感動しました」と言われたのは、私にとっても初めてのことで「やってよかったな」「先生方の熱意が伝わったのかな」と心が震えました。ヴェリタスがやっていること、やろうとしていることは、「点数につながるメソッドを伝える」ことでも、単に「合格者数を増やす」ことでもありません。たとえ受験であっても「楽しんで」「仲間(講師を含む)とともに気づき、学び合う場」を目指しています。子供は合格実績の数字ではなく、それぞれの人生をそれぞれの条件のもと、それぞれの力で生きている、一人一人違った色を持つ存在です。多くの子供にとって大学受験はその人生において、初めて出会う大きな壁であり、その合格をつかんで欲しいと願っていることも確かです。しかし合格は目標ではなく、あくまでその大切な人生の、成長の過程に過ぎません。ヴェリタスではそのことを忘れることなく、大人の計算に子供を巻き込むことなく、受験期であっても一人一人が「どう学んでいるか」にこだわっていきたいと思っています。最後になりますが、前回更新からあっという間に3ヶ月が経ってしまいました。「今日のヴェリタス」と言いながら、大変申し訳ございません。

2409, 2022

何だか楽しそう

2022年9月24日|

ヴェリタスの自習室に通ってくる生徒たちを見ていると、なんだか幸せな気持ちになる。講師が生徒の質問や相談を受けている姿はすでに日常の光景になっているが、中でも受験生が楽しそうに通ってくる姿を見ると、羨ましくもあり、少し不思議な気持ちにもなる。自分の受験期といえば、某予備校に通い英語辞書を丸ごと暗記している名物講師が、端から単語と意味を暗唱するのをテープに録音し、一つでも多く覚えようと四六時中聞いていた。こんなつまらない詰め込み勉強も、当時の自分は「受験期だから仕方ない」と諦めていた。かたやヴェリタスの受験生はどうだろう。受験生なのになんだか楽しそうに集まってきて、なんだか楽しそうに議論して、時には友達の質問に答えたり、下級生の質問に付き合ったり、この余裕はどこからくるのだろうか。もちろん、目に見えない部分でのプレッシャーや大変なこともあるとは思うが、自分もこんなふうに受験期を過ごせたら、と思わずにはいられない。中学生、高校生という多感な時期に、「○◯のため」と半ば諦めて、つまらなかったり、嫌だったりする気持ちを抑えて勉強している子供達がいるとしたら、ぜひヴェリタスにきてほしい。ここには勉強を楽しんでしている仲間や講師がたくさんいる。この学びの空気感を体験した子達は、きっと受験を終えてからも学ぶことを楽しんで続けていけるのではないだろうか。

1408, 2022

名著の翻訳に取り組む(英語基礎コース最上位 L5クラス)

2022年8月14日|

2022年度の夏学期のL5クラスでは、その活動の一部として、有名かつ読みやすい短編小説を幾つか選び、参加者がそれぞれ担当箇所を決め、その翻訳を作っていきました。学校の期末テストと時期がかぶるなどして、担当者が訳稿を提出できない場合には、他の参加者が代わりに翻訳したりするなど、皆が助け合って翻訳に挑戦していました。また、授業本番では、各人の訳稿に他の参加者がコメントをしていったのですが、細かい表現にも皆がこだわりを見せ、一語一語を大切にする態度を実践的に学んでいました(授業風景については、写真をご覧ください)。また、学期の後半になりますと、参加者は他人と自分との言語感覚の違いにも敏感に気がつくようになり始め、翻訳対象の文が言いたいことを正確に反映させた上で、どのような表現がもっとも読者の心を打つかといった高度な問題意識にも目覚めていました。翻訳において肝要なのは、作者の意図を決してねじまげてはいけないという意味での制限と、その制限の中で発揮されるべき翻訳者の工夫という意味での自由とが、バランスよく同居していることなのですが、このことを途中から生徒たちもはっきりと理解し始めていたように思われました。この授業で扱った作品は、具体的には、①マーク・トウェイン著『カリフォルニア人物語』、②オー・ヘンリー著『最後の一葉』、③エリス・パーカー・バトラー著『ブタはブタ』、④ワシントン・アーヴィング著『悪魔とトム・ウォーカー』、⑤ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)著『日本海に沿うて』、⑥ジャック・ロンドン著『キーシュ』などです。これらの英米文学における小品(ではあるが粒揃いの作品群) を訳していきました。この成果物は、一冊の冊子にして配布されます。使用テキストはこちら、皆で作った翻訳はこちらからご覧になれます。

1707, 2022

相変わらずの風景

2022年7月17日|

土曜の午後のヴェリタスは賑やかだ。入れ替わり立ち替わり生徒が質問に来たり、入塾希望者が相談に来たり、受付が開くと同時に自習に来る生徒もいる。今朝は早くから、新しい講師養成のための模擬授業も行われていた。生徒が来る前の静かな教室から、より良い授業のための真剣なやりとりが聞こえてくる。かたや世界を見渡せば、ウクライナでの戦争は収束の兆しを見せず、日本を含む多くの国々が史上初の猛暑に見舞われている。一方国内では追い討ちをかけるように誰も予想しなかった惨事が起こり、コロナは新株BA.5が猛威を振るい感染者が急増。これだけ想定を超えるできごとが頻度高く起こる日常だからこそ、ここに来れば「当たり前に」生徒たちが安心して質問できる場、楽しく議論できる場、講師・職員たちが学び合える場を作っていきたい。今日も数々のやり取りやいつも通りの風景からそんな風に思えたことに感謝である。

1605, 2022

サードプレースとしてのヴェリタス

2022年5月16日|

一般的に学習塾といえば、受験のための、補習のための、先取りして学びたい人のための、などさまざまな目的のために学習する場であると言えよう。しかし、ヴェリタスはそれだけではなく、ここに通う生徒たちにとって、家庭でも学校でもない第三の居場所を提供できたらと思う。実際受付横の講師室では、講師と生徒はもちろん、さまざまな年齢の人たちや違う学校から通う友達と、勉強の話、どうやってものを覚えるかの話、なんのために学んでいるか、友達関係の話、学校活動との両立の相談、あらゆる話題が飛び交っている。多様な人々との多様な出会いや交流を通して、教室とはまた一味違う空気を呼吸できる場にしていきたい。

1603, 2022

ヴェリタスの春(春期講習・新中一数英スタート・卒業式)

2022年3月16日|

ヴェリタスでは1月にスタートした春学期が終わり、内部では校内模試の実施、そして昨日からは「春期講習」がスタートしました。同時に2月に体験授業を行ってきた新中一のみなさんは、小学校卒業より一足早く早速授業がスタートしています。ヴェリタスの授業を見て思うのは、授業に「活気」があること。以前自分は活気がある授業とは先生のパフォーマンスが上手で、なんとなく楽しそうな授業をイメージしていましたが、ヴェリタスの「活気」は少し違います。講師が派手なパフォーマンスをするわけでも、高速で覚えられるノウハウやメソッドを伝えるわけでもありません。なので一見地味ではありますが、生徒の様子を見て思います。確かに頭を動かしている、と。それは講師一人一人が「学問に誠実に向き合っている」その空気が教室にいる生徒たちに伝わっているからではないでしょうか。学問に誠実に向き合う、とはどういうことか、あらわれる形は各講師によって違います。しかしどんな形であれ、ヴェリタスの授業を通し、効率やスピードではない「学問のたのしさ」や「たのしみ方」を若いみなさんに少しでも伝えられたら、それはこれからの「勉強」が「学問」になる種を蒔いていることになるのだろうと思います。希望の春にこのような感想を持てたことに感謝です。

1002, 2022

「塾で人生が決まる?」

2022年2月10日|

2月1日付の朝日新聞で「塾で人生が決まる?」と題し、少子化にもかかわらず過熱する受験競争の実態を伝え「進学塾」がその原因の一旦を担っているのではないかというテーマで論じていた。ヴェリタスも言わずもがな「塾」であり「受験科」もあり、業種といえば「学習塾」の部類に入るが、いわゆる受験競争の合格メソッドを提供する「進学塾」とは異質であることをこの記事を読み再認識した。そんなヴェリタスに新しい仲間を迎えるため、2月6日には新中学一年生を対象に体験授業とカリキュラム説明会を行った。「パズルのピースがはまったようにわかってすごく気持ちよかった」「その答えになるのはどうしてなのかという論理がこれから大事になっていくのだなと知ることができました」「具体的な根拠からその答えにたどり着く理由を教えてくださって、とてもその問題に納得がいき、わかりやすかったです」など、表現は様々だが、2時間足らずの体験授業を通しヴェリタスが伝えようとしていることをしっかりと受け止めている小学校6年生の感想に驚かされた。また、体験授業後に行われたカリキュラム説明会に出席した保護者の方からも「卒業生のお話を伺い学ぶ姿勢についても学ぶことができ、受験だけでなく今後役に立つと思いました」「学びのモチベーションを友人とともに高めあう雰囲気にとても好感を持ちました」「昔自分が覚えた時には、わからないままひたすらただ覚えたことも、今さら納得できる内容でした」などの感想が集まった。私も進学塾で人生は決まると考えたことはないが、ヴェリタスでの出会いはものの見方や考え方を広げ、ひいては人生を変える可能性もあるのではないか、ヴェリタスの在校生や卒業生を見ていて日頃感じていることを実感できた1日だった。2022年度、1人でも多くの新しい同志の皆様とともにそんな場を作っていけたらと考えている。

3001, 2022

1ヶ月あってできないことは1年かけてもできない

2022年1月30日|

共通テストを終え、受験生は国公立2次試験に向けて取り組む時期に入りました。ヴェリタス受験科も各種の直前講習を終えた生徒の皆さんが自習に訪れています。2次まで最後の1ヶ月、健康に気をつけて、妥協せず各々の取り組めますように。表題の「1ヶ月やってもできないことは1年やってもできない」は受験前の三箇条の一つ、自分もこの1ヶ月そんな覚悟で過ごしてみようと思いを新たにしました。昨日は湯島天神でお参りをしてきました。一足早い紅梅や蝋梅も咲いていました。ヴェリタスには中学一年生から6年間通った人も、受験科から1年間だけ通った人もいますが、いつの間にかどこかしらヴェリタスらしさを醸しながら、穏やかな雰囲気の中で受験を迎えている姿が印象的です。昨年に引き続き今年はコロナ感染にも気をつけなければならず、受験生には酷な状況が続いていますが、備えを怠らず蓄えてきた力を存分に発揮できるようにと願っています。

1001, 2022

カラフルの一部分

2022年1月10日|

あっという間に年があけ、2022年になりました。明けましておめでとうございます。さて、暮れから年明けにかけて、ヴェリタスは行事が目白押し。冬学期修了の校内模試、冬期講習、基礎科は学期を終えての発送、そして大掃除。明けたと思えば開講日、とお正月気分も束の間、日常が戻ってきました。昨年を表す漢字は「金」だそうで、オリンピックや大谷翔平選手の活躍が影響しているとか。ちなみにヴェリタスを色に例えるとなんだろうと考えますと、迷わず「カラフル」と言えるのではないかと思います。講師も生徒も個性的な人が、それぞれ居心地の良い場所。それぞれが思い思いのスタイルで学べる場所。誰もが誰かと同じであることに腐心したり、違うことを否定したりするのではなく、その違いを尊重できる場所でありたい、と思います。

2212, 2021

勉強は楽しい・・・だから受験も頑張れる

2021年12月22日|

9月から始まった冬学期、今週でどのクラスも最後となります。特に受験科のみなさんにとっては、1月から始まったクラスの最終講、思いもひとしおです。ヴェリタスで人気の理科一年完成コースは文字通り受験前の1年間で、受験に臨める力を身につけてしまおうというスピードクラス。だからと言って、テスト攻略の早道とは真逆の内容。「そんなことまでいる?」というレベルまでやってしまう、そうです。卒業生インタビューでも、在校生インタビューでも皆が口を揃えて言っているの「遠回りが逆に近い」「<参考>がむしろためになる」「大学の授業が余裕」など、はその裏付けかと。単に受験を成功させるメソッドを超えた何かを掴んでいる様です。とはいえ、受験本番目前は誰もが緊張し、気持ちも落ち着かないと思いますが、ヴェリタスで培った「勉強は楽しい!」と思える感覚を忘れず後1ヶ月足らず、頑張って欲しいと思っています。

1511, 2021

「説明を聞いてとてもワクワクした」(受験コース説明会参加者アンケートより)

2021年11月15日|

先週に引き続き今週は外部生向けに「受験コース説明会」を開催しました。ヴェリタスの受験コースは1月からスタートする1年完成コース。まずこの一年のカリキュラムの全体像をお話しし、その後数学、英語、理科(物理・化学・生物)、国語の各講師からの説明、そして卒業生からの話を聞きました。参加者の感想には「1年間で履修を終わらせることができるという説明に根拠があり納得できた。」「説明を聞いてワクワクした。早く数学・理科の授業を受けたい。」「原理から学ぶにとても共感しました。」と言う声も。また「勉強を始めるのが4月からでいいと思っていたため、楽観視していたことに気づけた。」「実際に通われている方のお話を聞くことができて、イメージがつきやすかった。」「パンフレットで見た通りの塾だと思った。」などこの1年間のイメージやヴェリタスを身近に思っていただけたことが感じられ、嬉しく思いました。とても小さな塾ですが、一人一人を大切にして、受験であってもその先につながる学びを目指している塾です。自ら望んで、深く、楽しく、一緒に学べる仲間を募集しています!

2210, 2021

“暗記が苦手な人”集合!

2021年10月22日|

前回更新からあっという間に1ヶ月経ってしまいました。毎年この時期には、新年度に向けた新しいパンフレットを作成しています。中身は全て手作り。構成も少しずつ変えながら、ヴェリタスを知りたい、という方により見やすく、伝わりやすい形にできるように工夫しています。中でも毎年更新している在校生、卒業生インタビューは、写真撮影はもちろんインタビューも講師と生徒の共同作業。生徒が日頃心で感じたことを本人の声として引き出すか、には毎回苦戦しますが、その声を聞くにつけ、ここでやっていることの意味を感じることができます。“大っ嫌いだった数学がいつの間にか楽しくなってたんですよ”“モヤモヤしてたものがスッキリして”“とにかく暗記が苦手で・・”“授業に出るたびに無敵になっていく気がするんですよね”と。予想を超えた心の声が聞こえた時は鳥肌が立つ思いです。塾なのに、受験なのに、ギスギスした雰囲気は皆無。逆にまず浮かぶのは楽しく学んでいる姿。そして、意外とみんなの口から聞かれるのが“暗記が苦手だ”という共通点。勉強を暗記で済まさず楽しむ、楽しいから続けられる、これからもそういう塾でありたいし、現にそうなっていることがこのパンフレットを手に取ってくださる方にお伝えできれば、と思っています。

2209, 2021

本当に学びたいのは物事の本質

2021年9月22日|

偶然だが、朝日新聞の声欄にこんな投稿があるのを見つけた。「化学の授業で、炎色反応について学習した。炎の色の変化とその反応を示す元素の組み合わせを語呂合わせで覚えるという物だった。落下運動を扱った物理の授業では、重力や重力加速度について教わった。このような授業ではいつも歯痒い思いをしている。なぜなら、語呂合わせや単なる事実の羅列を知りたいのではなく、化学反応が起こる仕組みや重力の原理について深く学びたいからである。物事の本質に触れず、暗記を求められるだけの授業では感動がないし、知的好奇心も阻害される。何より、勉強の目的が見えてこない。試験でいい点数を取らせることしか目的としてないように見える・・(後略)」と…16歳の高校生が綴る。大人の我々より勉強の本質をよっぽど見抜いているのではないか。大人は兎角子供に安全な進路を歩んで欲しいと思うばかりに、より短時間で、より簡単にその道に到達するであろう方法を提供しているつもりでいるのではないか。その場だけ通用すれば良い知識や、テストの点をあげることばかりに注視した要求に辟易している子供達がいることを忘れてはいないだろうか。自分も一親として、自戒の念をこめつつ、塾ながら物事の本質を教えようとしているヴェリタスの試みに偽りはないと、日々楽しそうに勉強をしている講師、生徒たちに教えられている。

1709, 2021

先につながる学び〜厚生労働省で医系技官として活躍

2021年9月17日|

冬学期が始まりました。ヴェリタスでは、冬へ向かう9月から12月を冬学期と言います。受験科はいよいよ受験前の最後の学期なのでテストゼミ形式の授業が続きます。受験といえば、人よりも1問でも多く正解し、一点でも多く取るために殺伐とした雰囲気になるはず?なのにそんな空気を全く感じさせない理由の一つに、受験とはいえ合格や点数だけを目的とせずその先を見越した授業が展開されているからかと思います。今回紹介するのはヴェリタスを卒業し医学部を卒業、医者の道を歩み始めるも逼迫する医療現場に問題意識を感じ、改めて公衆衛生を学び現在の職場で活躍されている佐野隆一郎さんです。来年度の受験科パンフレットに掲載される予定ですが、先取りで掲載します。==私は現在、厚生労働省で医系技官として勤務をしています。医系技官とは医師免許を持った行政官で、今まで医師の育成に関わる制度や、介護保険の仕組み作りに関わってきました。医学部を卒業した時点では普通に内科医になろうかと思っていたのですが、研修医で赴任した地域が医師不足の地域だったこともあり、もう少し医療制度を抜本的に変えたいと思い、臨床研修修了後に公衆衛生大学院で2年間勉強した後、今の仕事を始めました。行政の仕事に必要な「調べて、理解して、どうすればいいか考え、説明する」というプロセスはヴェリで生徒として学んだこと・講師として働いていた際に求められたことに似ている部分があると思います。結局全てのものは誰かが考えて、様々な経緯がありできあがったものだから、一からちゃんと調べて考えればわかる。そういう自信は、ヴェリタスに通っていた頃につきました。今の仕事では、例えばエビデンスに基づき政策を考え、それを実現するために、「理由を考えればわかる」「それに基づいて説明して理解してもらう」というヴェリタスでの経験が活きています。ヴェリタスは、与えられた教科書などで学ぶだけではなくて、大元からちゃんと考えたい人に向いている塾かな、と思います。恐らく私が公衆衛生大学院にわざわざ行って勉強し、医療制度から変える仕事に就こうと考えたのも、根源に高校生の時からの「大元からきちんと考えよう」という積み上げがあったからかな…と。

2808, 2021

夏期集中授業 最終ターム開始

2021年8月28日|

夏期集中授業もあっという間に最終タームに入りました。今年は全部で54講座が行われました。外部生向けに新しく「基礎英文法速習講義」や「中学。高校英文法論点講義」を行ったり、電子黒板を試しに入れてみたり、ディスカッションを取り入れた「確率講義」もありました。電子黒板を使った生物の講座に参加した生徒からは「図など実際に見た方が理解しやすいため、資料や映像をみれることは良いと思った」物理の生徒からは「イメージがしづらい波の動きが動画で見られて良かった」「ヴェリタスの授業の次元が上がった」という声が聞かれました。また「確率講義」では「ディスカッションがとにかく楽しかった」と、仲間と学ぶ楽しさが実感できた生徒も多かったようです。新型コロナウイルスの感染が若年層まで広がる昨今、安全を守りながら対面授業を続けるのは決して簡単なことではありません。しかしこうした生徒たちの声を聞くにつけ、また講師の実感するところからも、他者とのやりとりの中での学びを重視するヴェリタスとしては、今後もできる限り対面での授業の場を確保できるよう努力していきたいと考えています。

708, 2021

ヴェリタスの夏期集中授業

2021年8月7日|

8月1日から始まった夏期集中授業。昨日で第一タームが終わり、本日から第二タームが始まりました。猛暑に加え、新型コロナウイルスの感染拡大、という厳しい環境の中ではありますが、朝早くから夜遅くまで、連日講師も生徒も頑張って来校しています。こちらは中学英語を一通り学んだ方を対象に、中学英文法全てと高校英文法の基礎を網羅した「中学・高校英文法論点講義」。生徒が5日間でこの内容、ペースがかなり早くなることで生徒がついてこれるか心配していた担当の砂田講師も、「途中で「ここまででわからないとこある人いる?」と挟むことで、わからないまま進んでしまうリスクをかなり減らせたのではないか。」また「5日間でほぼ全ての文法項目をさらうことで、今までバラバラにやっていた英文法の全体像がクリアになったのではないか」と、振り返っています。難解な英文法をいかに整理して生徒の理解につなげていくか、細部までねられた講師自作のオリジナルテキストからもその熱意が伝わってきます。コロナ禍で対面授業という学びの場の確保も難しくなってきていますが、短期間であっても生徒一人一人の成長を心から望み、その学びの達成に心身を注ぐ講師の取り組みが今日のヴェリタスを支えていると思っています。

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朝中サマスク「生物学ってこんなに面白い!」

2021年7月24日|

先週末7月17、18日  東京築地のスタジオから、朝日中高生新聞主催のオンラインサマースクールが配信されました。ヴェリタスからは生物科の佐久間講師が「生物学ってこんなに面白い!性の多様性を学ぼう」と題して、1時間の講義を行いました。企画から当日まで約4ヶ月間、どんな授業が良いか、どんな演出が良いか、試行錯誤を重ね当日を迎えました。佐久間先生手作りのPDF、そして本番に向けた手作り台本、そんな舞台裏の労作に支えられて、「当日は一番盛り上がっていた講座」と主催者からも称賛の声が届きました。また、時間内では答えられなかった質問について、丁寧で細かな回答を作ってくださいました。こちらをご覧ください。また盛り上がった当日の様子もこちらから見ることができます!サマスク講座に続き同テーマでの夏期講習も行いますので、ぜひご参加ください。

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学びの風景〜基礎科英語Level5

2021年7月16日|

ヴェリタスの数ある特色ある授業の中でも、ぜひ紹介したいのがこちらL5(エルファイブ)クラス。中学校1年生からL1で学び始め、L2L3…と1年ずつ積み重ねてきた高2生10名のクラスです。今回は担当の田中講師にどんなクラスなのかコメントしてもらいました==日本文化論をフィーチャーしている直近2回の英語科L5クラスの内容を紹介します。前回(7月6日)は、「義理」に関する文章を読みました。そして、今回(7月13日)のL5クラスの授業では、論文*を読みました。日本文化について考えようとすると、真空の中に日本文化が出現するはずはないので、その日本文化の担い手たる人間たちの集団を考えなければなりません。そうすると、誰しも、「担い手とは日本人のことである」と答えたくなります。しかし、ではその日本人とは具体的には誰のことでしょうか。どうやって日本人の範囲を確定するのか。そうすると、客観的な基準を設定しようとして、「日本国籍を持っている」という性質が特権的に注目され、問題になります。しかし、「誰が日本人なのか?」という先ほどの問いに答えようとして、客観的な基準を立てるとき、必然的に除外されてしまうことになる人々が常にいるのではないでしょうか。彼らは日本文化を担ってはいないのでしょうか。すぐには思いつかないかもしれませんが、それらは具体的にはどんな人々だろう、ということを、当該論文に掲載されている様々な事例をもとに考察していきました。要するに、「日本国籍を持っている人だけが日本文化の担い手なのか」という問いを考察していたわけです。授業中には、活発な異論反論が飛び交い、誰もが自由に発言でき、参加者のどんな些細な疑問にもみんなで一緒に答えていくという刺激的な場が確かに現出していました。担当講師の田中は、基本的に生徒たちの輪読と担当箇所に関する発表を聞いており、議論の進行がスムーズに行くように、必要に応じてお手伝い(ファシリテート)をしています。使用テキストでは、教育論、フェミニズム、宇宙論、監獄論、動物論、英語論、スポーツ社会学など、さまざまな分野の基礎的文献が毎回フィーチャーされ、どんなときにも自由なディスカッション形式で輪読をしています。生徒は他の生徒(や講師)に自分の担当箇所を発表し解説するという経験を積み重ねる中で、「著者は要するに何が言いたいのか」「それについて自分はどう思うのか」「どういう言語表現を駆使すれば発表内容が効果的に伝わるのか」「自分が言いたいことは何なのか」といったことを試行錯誤し、毎回少しずつ上手になっています。 *Harumi Befu, Concepts of Japan, Japanese Culture and [続きを読む]

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