多くの思いがけない出来事に見舞われた2022年、ヴェリタスではおかげさまで、当たり前の日常や自由を他者によって奪われることも、自然の力に壊されることもなく過ごしてくることができた。世の中を見渡せば、それだけで十分に感謝に値すると思う。一方で、決して簡単とは言えない毎日を、生徒も講師も事務も積みあげてきた。中一は小学校卒業前から一回3.5時間の授業、初めての部活との両立、学校では習ったことのない内容を学ぶ困難など、中二、中三はますます難しくなる内容についていけなくなりそうなことも、モチベーション維持が難しかったこともあったと思う。高三は大学受験という大きな壁に日々悩みながら挑んでいる。講師も決して簡単ではない。1時間の授業を作るためにその何倍もの時間をかけて準備をし、どうしたら十分な学びの場を作り出せるか試行錯誤を続けている。事務とて同じだ。年間で行うことはほぼ決まっているにせよ、滞りなく運営するにはさまざまな複雑で繊細さを要求される業務が詰まっている。こうしてそれぞれが立場は違っても、ヴェリタスという場にそれぞれの思いを持って集まり、真剣に過ごしてきた。しかし常に完璧なわけではなく、不注意や心の緩みや多忙さゆえの失敗もある。知らず知らず周りの人を傷つけたり、失望させたり、怒りを買ったこともあっただろう。それについてはこの場を借りて、お詫びしたい。そして同時にその失敗を次に繋げられるように、また、むしろプラスにできるような場にしていきたい。ヴェリタスが目指す学びの形「単に解ければ良いのではなく自分で考えて思いつける」体験は決して一朝一夕に達成されるものではない。難しさゆえに投げ出したくなることもあるかもしれないが、だからこそ達成された時に感じられるもの、得られることは、かけがえのないものとして個々の中に蓄積されていくと思う。子供も大人も、生徒も講師も事務も一人一人が生きている今の時間を大切に、いっときいっときが人生を紡いでいることを忘れずにいたい。澄んだ空気の中で難しい目標に笑顔で向かっていける場、そんな塾を1人でも多くの方々と共に作っていける1年にしたいと思っている。