偶然だが、朝日新聞の声欄にこんな投稿があるのを見つけた。「化学の授業で、炎色反応について学習した。炎の色の変化とその反応を示す元素の組み合わせを語呂合わせで覚えるという物だった。落下運動を扱った物理の授業では、重力や重力加速度について教わった。このような授業ではいつも歯痒い思いをしている。なぜなら、語呂合わせや単なる事実の羅列を知りたいのではなく、化学反応が起こる仕組みや重力の原理について深く学びたいからである。物事の本質に触れず、暗記を求められるだけの授業では感動がないし、知的好奇心も阻害される。何より、勉強の目的が見えてこない。試験でいい点数を取らせることしか目的としてないように見える・・(後略)」と…16歳の高校生が綴る。大人の我々より勉強の本質をよっぽど見抜いているのではないか。大人は兎角子供に安全な進路を歩んで欲しいと思うばかりに、より短時間で、より簡単にその道に到達するであろう方法を提供しているつもりでいるのではないか。その場だけ通用すれば良い知識や、テストの点をあげることばかりに注視した要求に辟易している子供達がいることを忘れてはいないだろうか。自分も一親として、自戒の念をこめつつ、塾ながら物事の本質を教えようとしているヴェリタスの試みに偽りはないと、日々楽しそうに勉強をしている講師、生徒たちに教えられている。