冬学期が始まりました。ヴェリタスでは、冬へ向かう9月から12月を冬学期と言います。受験科はいよいよ受験前の最後の学期なのでテストゼミ形式の授業が続きます。受験といえば、人よりも1問でも多く正解し、一点でも多く取るために殺伐とした雰囲気になるはず?なのにそんな空気を全く感じさせない理由の一つに、受験とはいえ合格や点数だけを目的とせずその先を見越した授業が展開されているからかと思います。今回紹介するのはヴェリタスを卒業し医学部を卒業、医者の道を歩み始めるも逼迫する医療現場に問題意識を感じ、改めて公衆衛生を学び現在の職場で活躍されている佐野隆一郎さんです。来年度の受験科パンフレットに掲載される予定ですが、先取りで掲載します。==私は現在、厚生労働省で医系技官として勤務をしています。医系技官とは医師免許を持った行政官で、今まで医師の育成に関わる制度や、介護保険の仕組み作りに関わってきました。医学部を卒業した時点では普通に内科医になろうかと思っていたのですが、研修医で赴任した地域が医師不足の地域だったこともあり、もう少し医療制度を抜本的に変えたいと思い、臨床研修修了後に公衆衛生大学院で2年間勉強した後、今の仕事を始めました。行政の仕事に必要な「調べて、理解して、どうすればいいか考え、説明する」というプロセスはヴェリで生徒として学んだこと・講師として働いていた際に求められたことに似ている部分があると思います。結局全てのものは誰かが考えて、様々な経緯がありできあがったものだから、一からちゃんと調べて考えればわかる。そういう自信は、ヴェリタスに通っていた頃につきました。今の仕事では、例えばエビデンスに基づき政策を考え、それを実現するために、「理由を考えればわかる」「それに基づいて説明して理解してもらう」というヴェリタスでの経験が活きています。ヴェリタスは、与えられた教科書などで学ぶだけではなくて、大元からちゃんと考えたい人に向いている塾かな、と思います。恐らく私が公衆衛生大学院にわざわざ行って勉強し、医療制度から変える仕事に就こうと考えたのも、根源に高校生の時からの「大元からきちんと考えよう」という積み上げがあったからかな…と。