Stage I

扱う問題のレベル ☆~☆☆

各分野ごとに

  1. 「定義」を知っているか
  2. なぜこのように「定義」されているのかを分かっているか
  3. その定義から出発して「定理」を導くことができるか
  4. その「定理」の使い方を知っているか
  5. その「定理」の数学的な意味を理解しているか
  6. 計算をある程度のスピードで行えるか

このうち 1, 4, 6 ができるようになれば、やや易しめの入試問題は解けるようになります。
一方、2, 3, 5 は後に「自分で考えて問題を解けるようになる」ための重要な基礎となります。

(とりあえず簡単な問題が解けるからといって、この 2, 3, 5 の部分をいい加減にしておくと後々難しい問題を解くことができなくなります。)

「高校数学分野別総整理」は、全分野に対してこの 1~6 をすべて網羅し、かつ基礎的な問題演習を行うテキストです。

テキスト:「高校数学分野別総整理」

扱う問題のレベル
☆~☆☆

勉強の仕方
復習中心

数I,II,A,B全分野について「概念」「定義」「定理」「基本手法」を導出・整理するテキストです。各セクション前半は,その分野にあらわれる「定義の確認」及び「なぜそのように定義されているのか」の解説を行い,そこから導かれる「全定理の証明」を行います.各セクション後半では,その定理を使って解く問題やその分野の典型的な入試問題を解く「手法」の解説を行い,それぞれの手法につき演習を行います。

表紙

テキストサンプル

Stage IIa

扱う問題のレベル ☆☆

標準的とされる入試問題を解けるようになるために必要なことは

  1. 論理的に正しい変形が行える
  2. 1つの式に対して様々な見方を持つことができる

1 と 2 は密接に結びついた力です。

この力を養成するためには、がむしゃらにたくさんの入試問題を解けば良いというわけではありません。
というのも入試問題は「実力を測るもの」であって、「実力を高めるもの」ではないからです。「実力を測るもの」 である入試問題は、複合した内容を広く浅く問うているものも多く、一方、「実力を高める」ためには、論理もしくは式の見方といった数学的事実について「具体的に絞ってある問題」に取り組み、1つ1つ考えを深め、かつ整理することが必要です。

「大学入試基本演習」では、1つの数学的事実について深い理解が必要な問題を扱い、「その1問から1つのポイントを学ぶ」というスタイルで構成されています。 講義で用いたそれぞれの問題には、完全に対応する入試問題が演習として付けられています。数学は「聞いて分かる」ことと「自分でできる」ことに大きなギャップのある教科ですので、対応する問題の演習を通 じてそのギャップを埋めることが重要です。

また、入試は「時間との戦い」の側面もあるので、短時間で解くための「いわゆる受験テクニック的なもの」もすべて網羅します。

テキスト: 「大学入試基本演習」

扱う問題のレベル
☆☆☆

勉強の仕方
予習・復習均等

数I,II,A,B全分野について「定義」「定理」は十分理解し、やや易しめの問題ならば計算を含めてすらすらできるという人を対象として、入試標準問題を解くために必要な論理・手法を網羅したテキストです。
1つの数学的事実への深い理解を問う入試問題を使い、「1問から1つのポイントを学ぶ」というスタイルで構成されています。それぞれの問題には一対一に対応する類題がつけられているので、自分で演習し、授業で学んだことを定着させられるようになっています。

*基礎力に不安のある人は「高校数学分野別総整理」へ

表紙

テキストサンプル

ノートサンプル

Stage IIb

扱う問題のレベル

やや難とされる入試問題を解けるようになるには、

  • 複雑に見える問題を、基本的な構成要素(=基本演習で行った1つ1つのポイント)に分解することができる力
  • 一見みための異なる問題も実は同一のことを聞いているんだと判断できる力

が必要です。

ただし、これはある程度「慣れ」の領域であるので、「大学入試基本演習」を完全にこなした人にとっては、比較的早く(1~2ヶ月程度で)身につく力です。「大学入試基本演習」の復習を行いつつ、複雑な問題を基本要素に分解する演習を近年の入試問題を用いて行います。

テキスト: 「大学入試標準演習」

扱う問題のレベル
☆☆☆〜☆

勉強の仕方
予習中心・授業内で考えることが重要

表紙

基本演習では、その1問から1つのポイントを学ぶという目的のため、1つの数学的事実についてメインに問うている問題を扱ってきましたが、やや難しめの入試問題となると、いくつかの数学的事実を複合して問うていることが多く、その複合を基本的な構成要素(=基本演習で行った1つ1つのポイント)に分解する演習を行うテキストです。見た目に惑わされず、問われているポイントを明確にする力を養成します。

Stage III

扱う問題のレベル

大半の入試問題は「ちょっとは見たことがある」「類題を解いたことがある」 というものですが、「満点近く」をめざすためには「未知の問題」を解く必要があります。

そのためには

  1. 今までに学んだ数学概念から、 「形」等、似ている部分からの類推によって直感的に複数の「命題」(いってみれば予想)をたてる
  2. その「命題」の中で、最も有用そうなものの論理的検証を行う
  3. その「命題」が正しかった場合、後は「時間内で処理可能か」を考え、不可能と判断した場合、別 の「命題」について 2 を行う。間違っていたときも同様。

このような「直感」と「検証」の往復が必要です。これを行うには、「考え続ける体力」も重要な要素です。

上記のことを実現するために、「論点講義」では今までの様に「ある程度のパターン化」を行うのではなく、「頭の働かせ方」を体験してもらいます。これを始めた当初はかなり疲れますが、このテキスト一冊を終える頃には、「速い回転スピード」に慣れてくるのがこのテキストの特徴です。
この Stage III が最も数学として重要なものでありかつ「おもしろいところ」、また受験のみならず将来の「数理科学的素養(=大学における基礎)」の中心となるものです。

毎回、75分のテストゼミを行い、答案作成能力(=自分の分かったことを人に伝える力)も並行して養成します。

テキスト: 「大学入試論点講義」

扱う問題のレベル
☆☆☆☆☆以上

勉強の仕方
授業中心
次の週までにいろいろ思考実験してみることが重要

表紙

今までは数学の問題を解くとき、知っている手法を当てはめるというパターン化を行ってきました。しかし、それでは通用しないような難問に対して、いかに試行錯誤するか、いかに頭を使うかを学ぶテキストです。その過程の中で、各数学概念が必然的に持つ構造を感覚的に,そして論理的にとらえてもらいます。毎回、80分程度のテスト形式の演習も行い、限られた時間内で試行錯誤を繰り返し訓練も行います。

テキスト: 「入試数学上級テストゼミ」

表紙

大学入試論点講義のダイジェスト版です。