慶應義塾大学医学部医学科
横山 太郎 さん(早稲田高等学校卒業)

競争ではない環境

教科に厳しく、雰囲気はゆるくという感じの、ヴェリタスの授業が好きでした。授業でも完全に私語厳禁というわけでなく、ときには周りの人と相談し合って、ある問題について考えたり、非常に楽しいものでした。すごく頭がいいと感じるクラスメイトが多いのですが、競うという感じではなく、互いに学んだことを話すので、忘れにくくなったり、記憶の介助になったりして。受験とか学ぶということは、競争ではなく、支え合うものだと感じられるようになりました。実は、自分より頭のいい人たちをたくさん見て、自分が無能であると悲観することが中学時代には多かったんです。でも、ヴェリが競争の雰囲気じゃなかったおかげで、悲観しても何も変わらない、他人と比べても何も変わらない、相対評価するなら、今の自分と明日の自分の違いで比べるしかない、と徐々に思えるようになっていきました。

丸覚えは最小ですむ

受験勉強は、量の勝負だと思われるかもしれません。もちろん、量は持っていた方がいいですが、どうやって量を獲得するかが大事だと思います。例えば、単語の語源というものを、どこまできちんと扱うか。通常、学校とかだと紹介程度で終わると思うのですが、ヴェリタスでは、扱い方が徹底的に違うんです、量を獲得するために語源をどのようにとらえていくかという。なので今、医学をやっていても、医学用語は、ラテン語由来であったり、いろいろ大変なのですが、語を見れば、何となく意味の想像がついたり、自分で訳語をつくれてしまったりします。こういうのが楽しいんですよね。自分の頭脳が鍛えられている経験というか。語源に限らず、文法でも他科目でも、論理を重視するということが、結果として丸覚えすることを最小にしてくれるという実感があります。そのおかげで、結局たくさんの量を獲得できるということにもつながるし、また、自分一人でもたくさんのことを思いつけるということにつながるのだと思います。