東京大学理科2類
園部 良介 さん(早稲田高等学校卒業)

頭の中をみせてくれる

先生が正直なんです。どうやって解いているのか、頭の中を見せてくれるというか。迷いや困惑とかも含めて、どんな風に考えているのかを、それを出来る限り、表現してくれようとしているというか。予備校とかの授業って、解き方という結果ばかりが見せられて、本当は一番知りたい部分が隠蔽されている気がするんです。先生がスーパーマンのように振る舞っていたり。ヴェリの先生って、思いつかない焦りとか、ここまではわかるけど、これ以上は実はあまりよくわからないとか、そういうことを正直に見せてくれる、そういうのにヴェリらしさがあるのかなと思います。だから、テストでは別ですが、勉強しているときは、解けたか解けないかで一喜一憂しなくなりました。解けなくても学んでいることもあるし、解けても学んでいないときもある、そう先生が言っていたのを実感するので。

知識を身につけるというより、頭の使い方を学んだ

今でも覚えているのが、論理についてひと目で絶対に間違えないモデルをつくる、という授業。あれは、すごかった、納得のレベルが何度もひっくり返されて。ひとりが納得しても、◯◯が納得しないからって、もっと納得のいくモデルをつくってってやってって。複数の頭でつくっていくというか、後でみるとはやはり、みなが納得したモデルのほうが、自分にとってもわかりやすい、俺、元々なんでもひとりで思いつかなきゃいけないって思ってたんですよ。でも、それなりに難しい問題ってなると、厳しくて。例えば、自分では普通に変形してみることしか思いつかない。でも隣に座っている□□くんは違くて、同じ式を見ていても、見方が違う、僕のようには見ていないんです。これアレになんとなく似てない?とか。こういうやりとりが僕にとっては大きかった。何でも最初から自分で思いつけるわけじゃない、だから人の発想を、人が進んでいる道を、良い悪いのラベルを貼らずそのまま辿ってみればいい、そう先生にアドバイスされたんで。そんなふうに周りの考え方を真似しているうちに、自分でも思いつけるようになっていったんです。他人の脳が自分の中に入ってくる、というか、あいつだったらどう考えるだろう?って考えて進んでいけるようになった。知識がつくというより、頭の使い方をわかっていく実感があるのが嬉しかったんです。