I 古代·中世

「日本」という国家のありようそのものが過渡期にあった古代期の検証からはじめ、天皇と貴族が中心となって推し進められた律令国家体制の揺籃期から動揺期までを辿りなおしていきます。同時に、律令国家体制を支えながらつねに微妙な力関係を保ち続けた武士集団が、封建体制固有の土地支配関係のなかから徐々に立ち上るダイナミズムをとらえ、日本固有の精神風土の形成理解までを射程圏におさめた論考を深めていきます。講義は、政治体制の変遷を時系列に沿って扱いながら、1ヶ月に一度の割合で、経済史・外交史・文化史の観点から同時代を見直し、歴史的事象の多元的な再構築をめざします。

古代
第1講 弥生社会論・ヤマト政権論 B.C.1万年〜A.D.6世紀
第2講 律令国家論1 -構造的特徴- 592〜710
第3講 律令国家論2 -崩壊過程- 710〜887
第4講 王朝国家論 887〜1068
[特殊テーマ講義]
第5講 〈軍事〉武士団の形成
中華世界の展開
第6講 院政政権論 1068〜1180
第7講 公武二元政権論 1180〜1268
第8講 得宗専制体制論 1268〜1333
第10講 守護領国制論 1333〜1467
第13講 大名領国制論 1467〜1573
[特殊テーマ講義]
第9講 〈軍事〉南北朝の動乱
第11講 〈経済〉中世経済の展開と一揆
第12講 〈外交〉東アジア中の中世外交