言葉の樹を育てる ~ 語彙の進化論 ~

講座

特別講座

内容

本講座では、語源学や人間の思考法に注目し、単語の「落とし込み」方をご紹介します。英単語を勉強する際に、単語帳を見て「ある英単語に対応する日本語を覚えることだけで済ませる」ということをある程度してきたけれども、もう少し「頭を使って覚える」という体験をしたいという方に、おすすめです。進行としては、①「英語と諸言語との関係」、②「接辞と語根」、③「人間の行う比喩と言葉の意味との関係」を概説したのち、多義語などと呼ばれる具体的な単語に触れて、単語への接し方を教授します。高校英文法を修得していることが望ましいですが、必須の条件ではありません、本講座を受講し、是非とも自律的に自身の中で単語を整理できるようなってください。

和文英訳演習上級 ─名文翻訳に学ぶ構造・発想転換技法─

講座

受験英語科共通講座
Level4、Level5集中授業

内容

「英作文」は、和文を英語に訳出する翻訳translationと自身の認識を英語で表現する構成compositionとに区別されます。前者の最終段階の完成を目指す本講座では、あらゆる和文の構造と意味を精確に読み取り、適切な語彙選択のもとですぐれた英文を構築するための、高度な英作文演習を行なっていきます。これまでの学習においては、和文と英文とを一対一で照応させる基礎訓練の徹底に努めてきたと思いますが、本講座では、一筋縄では訳出不可能な和文を取り上げ、あらゆる文法・語法・語彙知識を総動員・総確認するのみならず、①主体と行為の決定、②主体と客体の規定、③論理破綻の整合と省略要素の復元、④文章に込められた認識=法の明示、といった、構造分析と発想転換のための技法を身につけていきます。
日本語の固有性や複雑さに真正面から立ち向かうため、扱う題材には、欧米言語の論理響造の影響がつよく現れている明治以降の評論文は含ませず、夏目激石や谷崎潤一、芥川龍之介など近現代の小説文や随筆文を取り上げます。演習と添削を繰り返す授業ゆえ、受講者は毎日自らの訳文を完成させてくることが必須義務です。(難易度の高い講座となりますので外部生の方が受講する際には, 担当講師との面談が必要です。)

構文鑑別演習 ─形で見抜く─

講座

受験英語科共通講座
Level4、Level5集中授業

内容

形は似ているが、意味は大きく異なり、そのため間違いを犯しやすい英文を取り上げてその差を比較する演習を行い、構造把握能力の完成を目指す講座です。個々の構文は学んだが、長文の中で出てくると、いまいちなんだか分からなくなってしまうという人に最適です。例えば、
(A) It was his opinion that she changed her mind by.
(B) It was his opinion that she should change her mind.
の意味の差が分かるでしょうか。ここで挙げた英文は紙面の都合上短いものにしましたが、授業ではだいたい20words前後の英文をこのように比較する演習を行います。文の基本構造の最終確認となると同時に、これから長文を読んでいくための確固たる土台作りとなることでしょう。

リスニング標準

講座

受験英語科共通講座
Level4、Level5集中授業

内容

本講座では、音声をおおまかには捉えられるが、解答の精度が上がらないという人を対象に、英検準1級または上級大学の二次試験レベルのリスニングの訓練を行います。このレベルの人にとって必要なのは、処理速度を落とすことなく、細部まで逃さず情報をキャッチすることであり、そのための効果的な練習方法はディクテーションです。ディクテーションは「何となく分かる」から「すべてを完全に網羅・操作できる」への橋渡しとなる重要な練習で、これによりリスニング上級者のさらなる飛躍を期待することができます。授業ではディクテーションを基盤としながら、文字情報と音声情報がどのような振る舞いをするのかを検証し、上級者が感じることの多い「速度の壁」「音声語薬の壁」「音声変化の壁」「語順の壁」という4つの観点からリスニングの総仕上げを図ります。リスニングは一種独立した分野であり、「音声の分節化」という基礎体力が何よりも大事となるため、文法や読解といった他の領域の完成度は問いません。

音声と映像で学ぶ人間学入門

講座

受験英語科共通講座
Level4、Level5集中授業

内容

この講座は、シャドーイングとディクテーションの練習を積み、ある程度口頭で話された英語を聞き取れることができるようになった人のためのものです(英検準1級〜1級レベル)。この講座の目的は、ひとつのまとまった議論を聞き、その内容について自分で議論を発展させていく力を身につけることです。今後留学先の大学での講義や日本に来られた英語圏の教授による講演に出席する場面を見据え、そのための題材として実際になされた短めの講演(10分から15分)などを取り上げていきます。「聞く」ことには、話者の話す速さや間の取り方、そして話の展開の仕方に自分の方が相手に巻き込まれていく姿勢が必要となります。この講座では、このような仕方で話者のリズムに合わせる仕方を学ぶとともに、相手の言葉を出発点として自分が気付かされたことを言葉にしていく方法も学びたいと思います。
この講座の主題として、「AI」(DAY1, 2)と「死生学」(DAY 3, 4, 5)の二つのテーマを選びました。両者とも「人間が人間らしく生きるとはどのようなことか」という問いに深く関わるテーマです。それぞれに対して、科学者や文筆家、医者や人類学者といった、異なる立場で異なる意見をもった論者たちの議論を聞き、その妥当性を吟味したり、想定しうる反論を形成したりすることで、「英語で学ぶ」実践経験を積みましょう。(難易度の高い講座となりますので, 外部生の方が受講する際には, 担当講師との面談が必要です.)

外部生におすすめ

解釈演習中級 ─評論編─

講座

受験英語科共通講座
Level4、Level5集中授業

内容

通常の学習や一般的な試験においては、限られた学習時間や集中力の欠如によってもっとも対策が後手にまわされ、その累積がいよいよ深刻な悩みの原因となっていることの多い、1000語から2000語を越える、硬質な英語評論文の読解作業を集中的に行ないます。各人の弱点を徹底的に改善するだけでなく、究極的には、授業を離れた今後の生活においても英文を読む習慣を定着させることを目標とします。長期的にみたとき、ある思想や概念を陳述するために書き継がれた文献を読むことがその根幹となっている、大学での研究活動にとって、まとまった量の文献を読みほぐし情報を処理していく基礎体力は、決しておろそかにすることが許されない、現時点からでも体得すべきものであるからです。

講義では、英文を読むにあたっての具体的障壁を攻略しながら、精確かつ迅速に英文を読み進めていくための技法を教授していきます。具体的には、1)類型と構成(英文の種類・文体・段落という装置)、2)前景と背景(語学的習熟とトピックへの習熟)、3)情報整理技法(内容ダイアグラムの作成)の3つを柱とし、文章全体の骨格を確認(1)、文章の肉付けと前提となる背景知識を整理(2)、文章を読み解いていくための技法を習得(3)という作業を行なっていきます。英文にはすべて実践的な設問も付し、内容理解を逐一確認するとともに、提出された答案や訳稿を講師が添削し、解答作成能力の向上にも心血を注いでもらいます。(外部生の方が受講する際には, 担当講師との面談が必要です。)

外部生におすすめ

解釈演習中級 ─小説編─

講座

受験英語科共通講座
Level4、Level5集中授業

内容

読者と共通の理解の前提に降り立ち、筆者が有する認識を説得的に提示するのが一般的な評論文であるのに対し、その多様なテーマや複雑に駆使された文体を武器に、読者が有する前提を揺さぶり、思いがけない人間の真実を垣間見させてくれるのが小説文の特徴です。しかし、評論文とは異なる構想や文体、文章の構造などの特徴は、小説を読むことのこのうえない愉楽であると同時に、小説を前にした読者を思いとどまらせる障壁でもあります。
本講座は、これまで英語による小説文を本格的に読んだ経験を持たない、あるいは、試験などで小説文の読解につまずいている人を対象とし、小説の定義から小説を構成する基本的な要素まで、英米の小説を題材にしながら丁寧に確認していきます。(受験にどれくらい関わるかなど受講目的を確認するた、外部生の方が受講する際には、担当講師との面談を行うことが望ましいです。)

解釈演習上級 ─哲学書を読む─

講座

受験英語科共通講座
Level4、Level5集中授業

内容

本講座では、Ralph Waldo Emerson、Representative men 1850(ラルフ・ワルドー・エマソン、『代表的人間たち』1850年著)を読みます。エマソン(1803-82)はアメリカの思想家であり、「プラグマティズム(Pragmatism)」の祖としても知られています。プラグマティズムとは1870年代にアメリカで,パース,ジェイムズ,デューイなどによって立ち上げられた思想運動であり,日本語では「実用主義」と訳されることがあります。ジェイムズはプラグマティズムを説明する際に、An ideology or proposition is true if it works satisfactorily; the meaning of a proposition is to be found in the practical consequences of accepting it, and unpractical ideas are to be rejected。(ある論や命題は,満足に機能するならば真である。命題の意味は、その命題を受け入れる実践的な帰結のうちに見出されるのであって、実践的ではない考えは棄てられるべきである。)と述べています。

本年は、上記著作のうち、第1章を冒頭から読み進めていきます。エマソンはこの著作において、1845年から1847年に行われた講演を基に、プラトン、スウェーデンボルグ、モンテーニュ、シェイクスピア、ナポレオン、ゲーテという、時代も背景も異なる6人の偉人を選び出して論じました。第1章「偉人の効用」はその導入の役割を果たしています。当該箇所では「代表的」であるとはどういうことか、「自己信頼」はいかにして可能か、といったエマソンの主要な主題が、歴史上の偉人と大衆との関係を軸にして論じられています。この部分の読解を通して、エマソンをいかに「プラグマティズム」の祖として位置付けることができるのかを問うこともできるでしょう。

講義形式は大学のゼミと同様とし、一日目を除き、和訳は参加者の分担とします。発表者は英文を音読のうえ、和訳し要約とコメントを述べることが求められます。他の参加者は、発表者の訳語検討、およぴ、内容に関する質疑を積極的に行うことが求められます。これまで培った英語力がどこまで実地で使えるか試してみたい人、近代哲学を俯瞰したい人、何であれ哲学に関心のある人にお勧めします。(難易度の高い講座となりますので、外部生の方が受講する際には、担当講師との面談が必要です。)