歴史の因果をつなぎとめ、立体的な日本史像を構築
歴史の表裏を自在に往還、歴史の水脈をつなぎ合わせる
開講日
2020年1月??日(?)
以後毎週?曜日 ??:00~
高校日本史の全範囲を12ヵ月で講義·演習するコースです。日本史の概略は、小学校以来何度も学習していることと思われますが、その内容では、今の段階においてわざわざ学ぶ意味はありません。
論理的構造を把握できる年齢になった今だからこそできる学び方が存在します。それは、時間の流れの中で、類縁関係にあると思われる事象の恒常性と差異性、因果関係を丁寧に詳細にかつ批判的に追うという作業です。歴史の事象は決して独立して存在するものではなく、複雑な相互連関性をもって存在します。暗記ではなくその複雑さを扱う方法論を身につけることにこそ意味があります。そもそもこの方法論は大学における学問という行為全般に通ずるものであり、「学問をする」ということは、実は具体的方法論を鍛えることに他なりません。受験日本史を学習するには、一方で論理力·構成力・文章力を身につけなければなりませんが、それだけで終わらず歴史を構造的に把握する方法論が必要であり、それを身につけることによって、今までとはまったく異なる日本史が目の前に現れることを約束します。
小学校、中学校と日本史は何回かやってきていますが、大学受験の日本史はこれまでとどう異なるのでしょうか?
何が起きたのかという項目よりも、政治的にどのような必然性で起きたのか?を厳密に扱うということが、大学受験の日本史の特徴です。結果として、今まで全く聞いたこともなかったような知識も必要になる場合があります。小学校、中学校の頃の知識が役にたたないというわけではないですが、今までとは異なった視点で日本史を扱わねばならないということは確かです。政治だけでなく、政治・経済・文化・外交という四つの軸の中で、事件の必然性を扱っていきます。
春学期 1月〜3月
I 古代·中世
「日本」という国家のありようそのものが過渡期にあった古代期の検証からはじめ、天皇と貴族が中心となって推し進められた律令国家体制の揺籃期から動揺期までを辿りなおしていきます。同時に、律令国家体制を支えながらつねに微妙な力関係を保ち続けた武士集団が、封建体制固有の土地支配関係のなかから徐々に立ち上るダイナミズムをとらえ、日本固有の精神風土の形成理解までを射程圏におさめた論考を深めていきます。講義は、政治体制の変遷を時系列に沿って扱いながら、1ヶ月に一度の割合で、経済史・外交史・文化史の観点から同時代を見直し、歴史的事象の多元的な再構築をめざします。
古代
第1講 | 弥生社会論・ヤマト政権論 B.C.1万年〜A.D.6世紀 |
第2講 | 律令国家論1 -構造的特徴- 592〜710 |
第3講 | 律令国家論2 -崩壊過程- 710〜887 |
第4講 | 王朝国家論 887〜1068 |
[特殊テーマ講義] | |
第5講 | 〈軍事〉武士団の形成 |
中華世界の展開
第6講 | 院政政権論 1068〜1180 |
第7講 | 公武二元政権論 1180〜1268 |
第8講 | 得宗専制体制論 1268〜1333 |
第10講 | 守護領国制論 1333〜1467 |
第13講 | 大名領国制論 1467〜1573 |
[特殊テーマ講義] | |
第9講 | 〈軍事〉南北朝の動乱 |
第11講 | 〈経済〉中世経済の展開と一揆 |
第12講 | 〈外交〉東アジア中の中世外交 |
夏学期 4月〜7月
II 近世·近代
戦国大名が群雄割拠するなかで頭角を現した織豊政権の担い手たちによる、日本の土地制度支配に対する抜本的な改変と、それに伴って盤石の支配機構を確立させた武家社会の練乱を、おもに徳川政権の具体的な検証をふまえながら学習していきます。夏学期の後半は、土地支配から貨幣経済への体制移行がもたらした、封建制度の必然的動揺と崩壊をとらえ、徳川政府の瓦解を追いかけるとともに、日本の外にも目を向け、帝国主義に代表される欧米列強の存在をも巻き込んだ日本の動乱と近代への加速をとらえていきます。
近世
第1講 | 太閤検地論 1573〜1600 |
第2講 | 幕藩体制論 -成立期- 1600〜1651 |
第4講 | 幕藩体制論2 -元禄期- 1651〜1716 |
第6講 | 幕藩体制論3 -享保期- 1716〜1787 |
第7講 | 幕藩体制論4 -動揺期- 1787〜1853 |
第8講 | 幕藩体制論4 -崩壞- 1853〜1868 |
[特殊テーマ講義] | |
第3講 | 〈外交〉幕藩体制と東アジア世界 |
第5講 | 〈経済〉商品流通と市場構造 |
近代
第9講 | 明治維新論1 -明治維新の性格- 1868〜1877 |
第10講 | 明治維新論2 -明治政府の政策- 1868〜1877 |
第11講 | 明治憲法体制 1877〜1894 |
第12講 | 日清戦争・日露戦争 1894〜1912 |
第14議 | 第一次世界大戦 1912〜1919 |
第15講 | ワシントン体制 1919〜1922 |
[特殊テーマ講義] | |
第13講 | 〈経済〉日本産業革命 |
第16講 | 〈文化〉大正デモクラシー |
夏学期 8月
III 特殊テーマ歴史講義
古代から大正時代までを対象に、時代をこえた問題、ヨコのつながりや国家・土地制度・対アジア外交・辺境・宗教・女性などの視点から日本史を見直します。復習もかねて、大正時代までを自分のものにします。
[特殊テーマ講義]
第1講 | 〈国家〉 |
第2講 | 〈土地制度〉 |
第3講 | 〈東アジア外交〉 |
第4講 | 〈辺境〉 |
第5講 | 〈女性・宗教〉 |
冬学期 9月・10月
IV 近現代史
通常の学習では受験期直前までかかってしまう、あるいは、受験期には間に合わない可能性もある近現代史の全容を、この時期にすでに修了させてしまいます。講義では、旧来の幕藩体制の影響を色濃く残しながら樹立された明治政府が、少しずつ政治機構として成熟していく様子を追いかけながら、同時に、欧米列強や世界の金融市場との関与を深めるなかで、世界情勢と不可避的に協調し、また、衝突してゆく日本の揺れ動く近代国家としてのありようを把握していきます。
戦前昭和
第1講 | 政党政治論 1922〜1926 |
第2講 | 昭和恐慌論 1926〜1931 |
第3講 | 満州事変 1931〜1936 |
第4講 | 日中戦争・太平洋戦争 1936〜1945 |
戦前後
第5講 | 戦後改革論 1945〜1951 |
第6講 | 日米安保体制論 1951〜1955 |
第7講 | 高度経済成長論 1955〜1973 |
第8講 | 現代の諸問題 1973〜2018 |
冬学期 11月・12月
テストゼミナール
この時期は、2時間の授業を、60分のテスト演習と60分のテスト解説に充当させ、主に記述性の高い設問にあたりながら、答案の作成技法獲得や苦手領域の克服につとめていきます。2ヶ月全8回分の講義を2つに分割し、前半4回では、古代·中世・近世をそれぞれ辿りなおす包括的な問題を扱い、後半4回では、全時代を対象とする、項目的な付け焼刃の知識だけでは歯が立たない問題を扱い、受講者各人の「歴史認識」そのものを根幹から検証する作業を行います。
第9講〜第16講
テストゼミナール
春学期 1月〜3月
I 古代·中世
「日本」という国家のありようそのものが過渡期にあった古代期の検証からはじめ、天皇と貴族が中心となって推し進められた律令国家体制の揺籃期から動揺期までを辿りなおしていきます。同時に、律令国家体制を支えながらつねに微妙な力関係を保ち続けた武士集団が、封建体制固有の土地支配関係のなかから徐々に立ち上るダイナミズムをとらえ、日本固有の精神風土の形成理解までを射程圏におさめた論考を深めていきます。講義は、政治体制の変遷を時系列に沿って扱いながら、1ヶ月に一度の割合で、経済史・外交史・文化史の観点から同時代を見直し、歴史的事象の多元的な再構築をめざします。
古代
第1講 | 弥生社会論・ヤマト政権論 B.C.1万年〜A.D.6世紀 |
第2講 | 律令国家論1 -構造的特徴- 592〜710 |
第3講 | 律令国家論2 -崩壊過程- 710〜887 |
第4講 | 王朝国家論 887〜1068 |
[特殊テーマ講義] | |
第5講 | 〈軍事〉武士団の形成 |
中華世界の展開
第6講 | 院政政権論 1068〜1180 |
第7講 | 公武二元政権論 1180〜1268 |
第8講 | 得宗専制体制論 1268〜1333 |
第10講 | 守護領国制論 1333〜1467 |
第13講 | 大名領国制論 1467〜1573 |
[特殊テーマ講義] | |
第9講 | 〈軍事〉南北朝の動乱 |
第11講 | 〈経済〉中世経済の展開と一揆 |
第12講 | 〈外交〉東アジア中の中世外交 |
夏学期 4月〜7月
II 近世·近代
戦国大名が群雄割拠するなかで頭角を現した織豊政権の担い手たちによる、日本の土地制度支配に対する抜本的な改変と、それに伴って盤石の支配機構を確立させた武家社会の練乱を、おもに徳川政権の具体的な検証をふまえながら学習していきます。夏学期の後半は、土地支配から貨幣経済への体制移行がもたらした、封建制度の必然的動揺と崩壊をとらえ、徳川政府の瓦解を追いかけるとともに、日本の外にも目を向け、帝国主義に代表される欧米列強の存在をも巻き込んだ日本の動乱と近代への加速をとらえていきます。
近世
第1講 | 太閤検地論 1573〜1600 |
第2講 | 幕藩体制論 -成立期- 1600〜1651 |
第4講 | 幕藩体制論2 -元禄期- 1651〜1716 |
第6講 | 幕藩体制論3 -享保期- 1716〜1787 |
第7講 | 幕藩体制論4 -動揺期- 1787〜1853 |
第8講 | 幕藩体制論4 -崩壞- 1853〜1868 |
[特殊テーマ講義] | |
第3講 | 〈外交〉幕藩体制と東アジア世界 |
第5講 | 〈経済〉商品流通と市場構造 |
近代
第9講 | 明治維新論1 -明治維新の性格- 1868〜1877 |
第10講 | 明治維新論2 -明治政府の政策- 1868〜1877 |
第11講 | 明治憲法体制 1877〜1894 |
第12講 | 日清戦争・日露戦争 1894〜1912 |
第14議 | 第一次世界大戦 1912〜1919 |
第15講 | ワシントン体制 1919〜1922 |
[特殊テーマ講義] | |
第13講 | 〈経済〉日本産業革命 |
第16講 | 〈文化〉大正デモクラシー |
夏学期 8月
III 特殊テーマ歴史講義
古代から大正時代までを対象に、時代をこえた問題、ヨコのつながりや国家・土地制度・対アジア外交・辺境・宗教・女性などの視点から日本史を見直します。復習もかねて、大正時代までを自分のものにします。
[特殊テーマ講義]
第1講 | 〈国家〉 |
第2講 | 〈土地制度〉 |
第3講 | 〈東アジア外交〉 |
第4講 | 〈辺境〉 |
第5講 | 〈女性・宗教〉 |
冬学期 9月・10月
IV 近現代史
通常の学習では受験期直前までかかってしまう、あるいは、受験期には間に合わない可能性もある近現代史の全容を、この時期にすでに修了させてしまいます。講義では、旧来の幕藩体制の影響を色濃く残しながら樹立された明治政府が、少しずつ政治機構として成熟していく様子を追いかけながら、同時に、欧米列強や世界の金融市場との関与を深めるなかで、世界情勢と不可避的に協調し、また、衝突してゆく日本の揺れ動く近代国家としてのありようを把握していきます。
戦前昭和
第1講 | 政党政治論 1922〜1926 |
第2講 | 昭和恐慌論 1926〜1931 |
第3講 | 満州事変 1931〜1936 |
第4講 | 日中戦争・太平洋戦争 1936〜1945 |
戦前後
第5講 | 戦後改革論 1945〜1951 |
第6講 | 日米安保体制論 1951〜1955 |
第7講 | 高度経済成長論 1955〜1973 |
第8講 | 現代の諸問題 1973〜2018 |
冬学期 11月・12月
テストゼミナール
この時期は、2時間の授業を、60分のテスト演習と60分のテスト解説に充当させ、主に記述性の高い設問にあたりながら、答案の作成技法獲得や苦手領域の克服につとめていきます。2ヶ月全8回分の講義を2つに分割し、前半4回では、古代·中世・近世をそれぞれ辿りなおす包括的な問題を扱い、後半4回では、全時代を対象とする、項目的な付け焼刃の知識だけでは歯が立たない問題を扱い、受講者各人の「歴史認識」そのものを根幹から検証する作業を行います。
第9講〜第16講
テストゼミナール