単語の意味の組み合わせから文の意味を想像するような、単語中心の誤った勉強からの脱却

「私」「サッカーボール」「蹴る」という単語をみたら、「私がサッカーボールを蹴る」としていませんか?
易しい文章ではさすがにそのようなことはないと思いますが、難しい文章で本当にこのようなことをしていませんか?

このページでは、このような馬鹿な英語の読み方ではなく、母国語のごとく英語を理解できるように1年間でするための方法論を、ここではやや抽象的に、次の項目では具体例を交えて説明していきます。

まず、以下の図を見て下さい。ここでは「英語学習とは複合的な過程である」と意識しなおすことが重要です。数学などの “直線的な” 積み上げの教科との大きな差がここにあります。英語では、同じ所に “螺旋的に” 戻りながら、徐々に上昇してゆくことが重要なのです。複合的に関わりあう要素が、下図に示される4つのアクセスです。

まず、Access1に示される動詞と機能語(接続詞・関係詞・前置詞)を中心とした、文の意味を決定する構造への精通が重要です。難解な英文でもすらすらと読めてしまう人の実力を支えているのは、基礎構造の複合を見抜く、構造分析力にほかなりません。どんな段階になっても、英文が難しくなればなるほど折をみて振り返る必要のある、きわめて重要な要素です。一方、言語であるため、幹となる構造のみでは豊かな情報伝達は行なえません。Access2で行なうべきことは、これまで暗記一辺倒の闇雲な詰め込みを繰り返してきた、膨大な単語や熟語などの知識を、シンプルそのものの構造分析の幹にはりつけ、無関係にみえた項目どうしを有機的につなげることです。こうすることで、はるかに効率よく、そして、納得したうえで網羅的に拡張させることができます。その意味において、簡潔さを目指す構造分析は、徹底して網羅的であることを目指す知識の拡張と正反対にあるのではなく、むしろ表裏一体となって、それぞれの英語学習を支えていくのです。

複合的に様々な要素が絡み合う英語学習のなかで、“構造” という概念を、基礎と応用をつなぐ縦軸として考えるのならば、日本語を母語とする私たちにとっては、“日本語と英語” という観点を、横軸として考えることができます。

「構造はわかるが、なんとなく言っていることがしっくりこない」という時は、日本語を日常的に用いている私たちが無意識に作り上げた前提が、日本語と異なる切り口の抽象概念の理解を拒んでいる場合が大半です。例えば時間の捉え方であれ、あるいは自己と他者の捉え方であれ、日英語ではそれらを表す「時間」や「自己」、「他者」という言葉そのものの指示対象が、そもそも大きく異なっているのです。Access3に示すごとく、この違いを洗い出し、つぶさに検証することで、日英語の差異を、居心地の悪い違和感の元凶ではなく、むしろ両者を相対的に見つめる立脚点として捉え直すことが可能となります。逆に、Access4にあるとおり、日英語の違いを超えてはじめから共有されているのが、「ある情報を他者に伝達する」という働きです。このとき、相手を納得させたうえで正確に情報を伝えるための枠組を、私たちは「論理」と呼んでいます。理解を拒むかのような難解な英文でも、日本語と同様の論理展開技術を使用していることを認識し理解のきっかけを掴む、あるいは逆に、これまで母国語ゆえに意識することのなかった日本語に新しい理解の光を当て、批評的な分析の契機としてくれるのも、そして究極的には、日英語を同一の視野に収め、自在に行き来するきわめて高度な言語運用能力を生み出す出発点となるのも、ほかならぬこの論理の枠組です。

基礎段階のみならず、上達してもなお常に基本構造に立ち返ること、そして、日英語間の概念の違いと、その違いを超えて存在する共通の論理の枠組を把握しながら、単調な直線形ではなく、多様なアクセスを螺旋状に展開させて勉強を進めてゆくことこそ、効率よくかつ最も高い英語力に至る道筋なのです。

英語学習のステップを直線でつなげば、必要となる英語の技能は、具体的に以下のようになります。実際これらは複合的に絡み合い、相互に往還を繰り返します。

単語 文法 語法 構成 読解 コース 難易度の目安
A B・C
Step
1
2000語:日英語の1対1対応 構造的理解:動詞/機能語 動詞 文法ジャンル別英作文 1文の構造把握 1~3月 英語の基本的な構造を確認する設問。大学入試センター試験で7~8割を得点できる水準。
Step
2
3000語:同義/反意/派生による拡張 固有概念の理解:通時性/法/態/他者概念 名詞/形容詞/副詞 定型表現中心の作文技術 1段落内の論理展開把握 1~4月 4~8月 基礎的構造理解+αが求められる設問。時間をかければ入試レベルの英文を読み解ける水準。
Step
3
4000語:多義性による拡張 修辞的理解:否定/倒置/省略/話法 類義語の識別 対1対応を超え,和文を再構築+英訳 文章全体の構造把握 5~8月 9~11月 理解の深さとともに,情報処理の速度も問われる。東京大学をはじめとする国公立大学/医学部で合格ラインを超える水準。
Step
4
5000語~:語彙の社会性/歴史性 背景理解:規則を成立させる歴史の理解 コロケーションによる語彙把握 英語論文の執筆 文章背景把握・迅速な情報処理 9月~ 12月~ いかなる入試レベルにも対応し,東京大学をはじめとする最難関大学でもほぼ満点を獲得するための水準。

Step 1

単語 2000語:日英語の1対1対応
文法 構造的理解:動詞/機能語
語法 動詞
構成 文法ジャンル別英作文
読解 1文の構造把握
コースA
コースB・C 1~3月
難易度の目安 英語の基本的な構造を確認する設問。大学入試センター試験で7~8割を得点できる水準。

Step 2

単語 3000語:同義/反意/派生による拡張
文法 固有概念の理解:通時性/法/態/他者概念
語法 名詞/形容詞/副詞
構成 定型表現中心の作文技術
読解 1段落内の論理展開把握
コースA 1~4月
コースB・C 4~8月
難易度の目安 基礎的構造理解+αが求められる設問。時間をかければ入試レベルの英文を読み解ける水準。

Step 3

単語 4000語:多義性による拡張
文法 修辞的理解:否定/倒置/省略/話法
語法 類義語の識別
構成 対1対応を超え,和文を再構築+英訳
読解 文章全体の構造把握
コースA 5~8月
コースB・C 9~11月
難易度の目安 理解の深さとともに,情報処理の速度も問われる。東京大学をはじめとする国公立大学/医学部で合格ラインを超える水準。

Step 4

単語 5000語~:語彙の社会性/歴史性
文法 背景理解:規則を成立させる歴史の理解
語法 コロケーションによる語彙把握
構成 英語論文の執筆
読解 文章背景把握・迅速な情報処理
コースA 9月~
コースB・C 12月~
難易度の目安 いかなる入試レベルにも対応し,東京大学をはじめとする最難関大学でもほぼ満点を獲得するための水準。

 1年間で大学・研究・仕事仕様に耐えうる英語の礎を築く

- VERITAS英語科の実践的方法論

1. 基本要素のつながり = 語

adopt とadapt の違いがわかりますか?

それ自体で最小単位として成立しているかのようにみえる単語も、さらに細かい構成要素(接頭辞・語幹・接尾辞など)から構築されています。VERITASの講義では、こうした語彙の形態分析からはじめ、記憶の補助、そして英語のままのニュアンスの獲得を行ないます。たとえば、“adopt / adapt” という混同しやすい語彙の習得にあたっては、

adopt < add + option / adapt < add + be apt to V

という、語源学の成果にもとづく構造解析を行ないます。これにより、adoptは「選択をつけ加える」、adaptは「be apt to V(~しがちである)状態にする」というイメージをもち、前者が、「(意見や養子などを)採用する・迎え入れる」、後者が、「(行動や家屋を)適合させる・改作する」という意味であることを理解し、非常に楽に記憶することができます。

2. 語と語のつながり = 文

I feel another man.を自然に感じ取るために

語と語が結びついた一つの英文の学習では、単語同士がどのような役割をもって結びついているのかという規則(=構造)を十分に分析、理解する作業を行ないます。さらに、同一の構造をもつ英文を50個から100個集中的に読み、あるいは書くことによって、しだいに分析的な思考を “自動的に行なえる” 水準にまで高め、体の中に染み込ませていきます。

たとえば、英文法学習のはじめに行なわれ、通常瞬く間に通りすぎていく第2文型や第5文型などは、本来初学者はすぐに修得できない難しいもので、数個の例文に触れるだけでは、理解を深めることは困難です。試みに、

I feel another man.

という文を一読して理解ができない場合は、やはり第2文型の内在化はおろか、表面的な分析さえできているとは言いがたいと思われます。講義では、精緻な分析と反復練習の相互作用を高め、短期間で効率的に、「一読して英文の意味がわかる。瞬時にして構成すべき英文の骨格ができる」という段階に至らせます。

3. 文と文のつながり = 文章

母国語のごとく,英語を英語のまま自動処理する

語彙、文構造の理解をさらに文同士のつながりへと広げ、文章全体で論じられている問題点を的確に読み取ったうえで、批評・分析を行なえるようにするために、講義では、(1)「隣接する英文同士のつながり」、(2)「文章全体の論理展開の法則性」を教授します。さらには、授業当日に配信されるリスニングシステムによって、目のみならず耳からも情報を取り入れ、一次元的な音に変換することで、理論的な分析作業を、次第に無意識のうちに行なえる状態に至らせます。